土曜日, 5月 09, 2009

マインドコントロール (5)

この世でマインドコントロールのテクニックを最も有効に活用したのはキリスト(教)であろう。その方法は前回述べた1と2の組み合わせによるものである。シンボルがあり、テキスト(物語)があり、皆が集まれる広くて荘厳な場所があり、歌があり、トレーニングされた牧師がおり、伝道師がおり、数々の儀式があり・・。ほぼ完璧なマインドコントロールシステムを創り上げたのである。その点においてキリストはマインドコントロールの神様であると同時にマインドコントロールマーケティングの祖でもある。「信じるものは救われる」とマインドコントロールされ癒されている限り善であり永遠である。

マーケティングはマインドコントロールのテクニックを利用して顧客を掴む方法であるといえる。「心を動かし自発的に行動させる」ためにあの手、この手を繰り出し潜在顧客のマインドをコントロールするのである。善か悪かは使う側次第である。が残念ながらこの世の中は悪の方がはるかに蔓延りやすい。

やらないと商売が成り立たないがやり過ぎもよくない。人の心は騙されやすいようにできている、注意すべきことは私たちが自ら悪の操るマインドコントロールのテクニックに騙されないようにすることだ。CMに有名な女優が使われているからと言ってその化粧品がすばらしいということを意味するものではない。医者が登場し薦めたからといってそのサプリメントの効能が保障されたわけではない。買う私たちが彼らの出演料を払うという仕組に嵌り込んでいるだけのことである。「そんなことは言われなくてもわかっている」と言う人に限って既にマインドコントロールされているもの。

先日クリントイーストウッドの「グラン・トリノ」を見た。決して仰々しいストーリーがあるわけでもなく安作りのシンプルな映画ではあるが・・・それでも十分に感動した。映画はそもそも作られたストーリ。それをわかっていても感動させられ涙が出てくるのである。クリントイーストウッドといえば子供のころから見ているが・・・もしかするとこれが彼の最後の映画になるかもしれない。そう思うから余計に感動したのかもしれない。

すばらしい映画といえば「ショーシャンクの空に」をサイトにアップした。見ていない人は是非ご覧ください。原作者のステファン・キングはシャイニング,グリーンマイル、最近ではミスト等 数々の映画作品があるがキング自身も心が相当病んでいたようだ。昨日のニュースで部屋で倒れていたところをまるで映画のシーンのように発見されたとか。ひどいアル・ドラ中であったらしい。鼻が何の吸いすぎで・・・

⇒ ショーシャンクの空に

土曜日, 5月 02, 2009

マインドコントロール (4)

マインドコントロールの3つの方法は飽くまで心理学からの視点であって使う側はあらゆる方法を組み合わせて使う。しかし、マインドコントロール=悪行為とは必ずしも言い切れない。教育の分野ではマインドコントロールのテクニックが有効に活用されている。されなければいけないと言った方がいいかもしれない。善悪はその方法で決まるのではなく使う側にいる人(組織)で決まる。

例えば、マリファナを禁止するためには「マリファナに手を出すと止められなくなる」、「身体を壊す」等々やや誇大な情報を提供することによって手を出さないように教育しなければならない。麻薬を密売する人には厳しい罰を与えることでできるだけ流通しないようににしなければいけない。「マリファナ」はこわいものだとマインドコントロールすることで犯罪を防ごうとするからだ。教育する上で上手にマインドコントロールテクニックを使うのは決して悪いことではない。

日々受け取る新聞やマスコミから提供される情報もマインドコントロール目的のものも少なくない。というかマインドコントロールなしには国があるいは経済、あるいは商売は成り立たないのだ。教育目的、政治的プロパガンダ、マーケテインング・・・私たちはマインドコントロールの洪水の中で暮らしている。そして私たちは個人差こそあれ既にマインドコントロールされているのである。

漢字能力検定協会というといかにも善玉に思えるのは私たちが日ごろからマインドコントロールされているからだ。「漢字ぐらいは正しく読み書きできなきゃ恥ずかしい」「検定に通れば就職に有利だ」・・・と国、学校、マスコミが挙ってマインドコントロールする中で協会を運営するトップはそれをいい事に私服を肥やしていたのだ。協会と名前がつく組織は何故か善玉のような気がするのもマインドコントロールの成果だ。この類のものは他にもたくさんある。財・社団、NPO・NGO、基金等 こうした組織は何も疑うことなく世の為人の為にいいことをしていると思ってしまう。もちろん、そうであってほしい。

コピーはなくてはならないマーケティングツールだ。その目的はマインドコントロールである。ほんの短いコピーでも人を簡単に誘導できてしまう。パンフレットに「2ヶ月で10kg減量!」と書いて「使用前」「使用後」の写真を載せれば気になる人は「さあ買おう」と言う気にもなる。こうしてどれだけ今まで無駄遣いしてきたことか。

受ける側の結論は人間の心はこういうもの(騙されやすい)ということをよく知っておくことである。そう知った上で騙されないように判断力を磨くことである。心の機能を知り機能アップさせることだ。良い人ほど騙されやすい、正直者ほどだまされやすいという世の中を作ってはいけない。そうしないための選挙であって悪人を政治家に選んでいては世の中は確実に悪くなる。

Impossible dream 

http://www.youtube.com/watch?v=VwRCBHhyrAA